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フリーラジカルとは?Free radicals
フリーラジカルFree radicals
活性酸素ともいっています。TVの健康のCMにも登場、よく耳にするようになりました。
この活性酸素が発見されたのは1956年。米国・ネブラスカ大学のD・ハーマン教授の業績によるものです。生体内に入った酸素がフリーラジカル反応を起こし、細胞膜や細胞内の小器官の生体膜を破壊--その結果、DNA (遺伝子)を傷つけ、がんや成人病、老化の原因になるという「フリーラジカルセオリー」を発表。その後の「活性酸素」研究の基礎となったのでした。
それから00年間で明らかにされたことを要約すると・・・。
酸素分子は、大気中と生体内では〝性格″や〝態度”が異なります。生体内では何かの形で「活性化」されて反応に用いられます。
空気中ではビラジカルで(三重項酸素-302比較的安定した状態でいる)酸化力はあるが-テンプラ油や生肉を腐敗させる、強力ではなくてエネルギー的にも極めて低い状態にあります。ところがこの酸素が血中に入り、ヘモグロビンと結合してオキシヘモグロビンの形をとると不安定な状態になります(原子間の距離が延びる)。
この形は、スーパーオキサイドや過酸化水素と類似したものになり強力な毒性を有し、手近な物質と結合しようとします。この反応を近年、生化学では一言で「活性酸素」と呼んでいます。-O2(スーパーオキサイド)H2O2(過酸化水素)102(一重項酸素)・OH(水酸化ラジカル=ヒドロキシラジカル)などで表現されています。
私たち自分医学で考えなくてはならないことは、この活性酸素が生体内の代謝のときにだけ発生するのではなくて、食事として摂取する内容物と胃腸内の微生物による発生も含めて検討しなくてはならないことです。▽酸素は必要不可欠であるが、生体内では両刃の剣である。
▽活性酸素は、生体内の種々の条件で生成される。
生体反応と酸化と還元についてOxidation and Reduction
生体電池 Biological battery
---すべての生体は電池と同様に酸化還元反応を起こしている。
すべての生物の体の中の働きは、化学的には酸・塩基反応で説明され、物理化学的には酸化還元反応(エネルギ論)で説明されています。
酸・塩基反応とは
私たちの体の一部の細胞で活躍している水を生体水といっている。生体水はアミノ基(塩基性)とカルポキシル(酸性)という成分で構成されている。アミノ基が悪いほうへ働くとアンモニアに変化→生体毒といわれる活性酸素が生じる。しかし、健康体の人ならば(細胞が活性化している)そのアンモニアになろうとする物質をカルポキシル基(酸性成分)で中和させてアミノ酸に切り換える働きが起きる。このように酸・塩基のバランスをとることによって生体毒の発生を防いでいる。
生体の物理化学的説明とは
人間の体を電池(生物電池)にたとえて説明することができる。自動車エンジンがガソリンの燃焼(酸化)によって働くように、人体は、食餌の酸化によって作りだされるエネルギーを利用している。
ただし、自動車のエンジンのように爆発的に作動するのではなくて人体の場合は非常にゆっくりと穏やかにおこなわれる酸化である。この酸化反応は幾つもの段階を経ておこなわれ、反応を助けているのが様々の種類の酵素である。
自動車のエンジンに相当する部分は人体ではミトコンドリアと呼ばれている細胞内にある小器官である。このミトコンドリアでATP(アデノシン3リン酸)というエネルギー源が作られ、体内のすみずみまで運ばれている。ATPはいろいろな生命活動のエネルギー源として使われる。このATPが作られるプロセスは数種類の酸化還元物質によっておこなわれている。生体内の酸化還元系には電極があるわけではないが、電気化学系と同様に酸化と還元は別の場所でおこなわれ、電荷分離を引き起こし電子の流れを巧みに制御している。この巧妙な生体の仕組みは生体電池とよばれている。
すべての生物は酸化還元対に規定され、その平衡反応は電気化学ポテンシャル差に従う。